
2026年3月30日、カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley / BAIR)およびMeta FAIRのToru Lin氏をお招きし、川原研究室にてリサーチトークを開催しました。
MITにて学士・修士号を取得し、東京大学での在籍経験も持つロボット学習分野の新鋭研究者であるLin氏。NVIDIA、DeepMind、Meta、Googleなどでのインターンを経て、現在はJitendra Malik教授に師事し、「身体化された知能(Embodied Intelligence)」を研究されています。

リサーチトークのテーマは「Learning Dexterous Robot Skills that Generalize: Embodied Intelligence from Autonomous Experience」。従来のロボティクスにおける課題であった「高度な器用さ」と「汎用性」の両立をいかに実現するかについて、最新の知見をお話いただきました。
Lin氏は、子供が試行錯誤から学ぶプロセスをモデル化した「継続的学習ループ」を提唱。実現に向け「動きのセンス(Priors)の習得」、「最適な環境と報酬の設計」、「現実世界での自律的な自己改善」という3段階のアプローチについて、大規模データと学習ベースの手法を組み合わせることで、ロボットが未経験の環境へ適応する道筋を解説されました。
具体的な成果として、ステーキのサービングやワイン注ぎといった精密な両腕操作に加え、リンゴの皮むきで得たスキルを梨やズッキーニへ即座に適用できる動画が紹介されました。その汎用性の高さに、参加者も思わず見入っている様子が見られました。
これらの研究は、食器洗い機の荷積みやホワイトボードの拭き掃除といった全身制御(Whole-body control)から最新のヒューマノイド開発まで、広く応用が期待されています。

Q&Aセッションでは、学生の質問に真摯に回答されるLin氏の姿が印象的でした。
最先端の「Embodied Intelligence」に触れ、研究室一同にとって非常に貴重な刺激となりました。